2008年12月30日火曜日

新築マンションのゆくえ

世界経済が急激な縮小に入っている状況で、今後、新築マンションはどこへ向かうのだろうか。東京の不動産価格は値段を付けてもそのままの価格で売れることはまずありえなくなった。あの手この手の販売活動を行っているが、現状はかなり厳しいようだ。リーマンが破綻してからこの手のニュースをよく聞くようになったが、症状が酷くなり始めたのは、リーマン破綻よりずっと前からだ。

金融機関に勤めている知人がいる。彼から聞かされた話だが、首都圏のとある街に建てた新築マンションが売れ残りSOSが入ってきた。どのくらい売れ残ったかというと80%が売れ残った。50戸のマンションだから10戸しか売れなかったのである。40戸が売れ残ったということだ。

建物のプランが悪かったのかもしれない。あるいは価格がエリアとミスマッチだったのかもしれない。しかし、80%も売れ残るということは、プランと価格だけの問題では説明がつかない。経済状況の悪化という理由を無視することはできない。今、マンションを売り切りたいのであれば低価格路線は外せない。

付加価値という魔法の言葉はもう通用しなくなった。

メディアに出てくる不動産市況などはあてにならないものもある。意図的に情報を操作しているような記事広告を見ることがあるが、あまりにも時代錯誤な記事を掲載するとそのメディア自体が世間から消えてなくなるだろう。

2008年12月22日月曜日

マンションのエントランス

マンションの第一印象は重要だ。エントランスマンションの顔であり重要な要素である、その昔「人形は顔が命」というCMがありましたが、「マンションは顔が命」といってもいいと思う。もちろん建物の構造や管理状況などが重要であることは言うまでもないが、ルックスも重要なのである。このことは、ご自分が売主として売却しようとしたときに感じるだろう。お客さんによい印象を与えることができる。

では、どんなエントランスがいいのか?

■顔が小さいものはダメ。女性に小顔が人気ですがマンションでは小顔は不人気。

■明るいエントランス。暗い玄関は誰が見ても陰気に感じる。とくに商売をしている方が住まいにすると運気が下がる可能性が大いにある。

■派手なインテリアは不要。ベルサイユ宮殿みたいな装飾は恥ずかしい。ごくシンプルで明るく清潔な印象が大切。大理石風の床は滑りやすくて危険。

つまり、明るくて清潔感と開放感のあるエントランスということだ。とくに暗いものはいけない。もったいなくても昼間から照明を点燈させるべきである。私も何度か、マンションの室内廊下の照明を常時点燈に切り替えたことがあるが、賃貸マンションでは、お客さんの印象が良くなるからすぐに稼働率が上がる。カンタンにできる作業である。お金もほとんどかからない。古いマンションでは、エントランスのリニューアル工事をするところが増えているようだが、マンションの資産価値を上げることに大きく貢献するのは間違いない。

ガンバ大阪ありがとう

ガンバ大阪とマンチェスターユナイテッドの試合を見ました。ガンバ大阪に「ありがとう!」といいたくて記事を書いています。日本代表などの試では、勝っても負けても、なんとなく未消化な感情が残っていましたが、今度のクラブワールドカップでは、久々に日本中の人たちが爽快感を感じたのではないでしょうか。あっぱれ!でした。

果敢に攻撃をしかけ攻撃の手を緩めない姿に多くの方が魅了されたと思います。メディアでは、アナウンサーもゲスト解説者もマンチェスターユナイテッドを賞賛することが圧倒的に多いなか、ガンバ大阪のイレブンはよくやったと思います。ヤフーのスポーツニュースにオシムさんのコメントが私の気持ちを代弁してくれています。

【ココから↓】サッカーのクラブW杯の関係者らを集めたパーティーが20日、東京都内のホテルで開かれ、前日本代表監督のイビチャ・オシム氏が出席した。

オシム氏は18日にマンチェスターUに敗れたG大阪について「どちらがマンUか分からないような美しいサッカーをした。G大阪ぐらいのチームが普段通りのプレーをすれば、強い相手ともそんなに差がなく戦えることが分かった。もう一度試合をしたら必ずマンUが勝つとはいえない」と絶賛した。

さらに「遠藤が世界的に通用するのが分かった。橋本も走る量を増やしていけば技術を補える」と日本代表での“教え子”らの名前を挙げてたたえた。21日のパチューカとの3位決定戦については「組織力の勝負になる。個人的にはG大阪が勝つだろうと思う」とエールを送った。【ココまで】 (YAHOO!JAPANニュースより)(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081220-00000593-san-socc

試合後、遠藤保仁選手が「楽しんでいただけたんじゃないかと思います」というコメントに、強い自信を感じたのは私だけではなかったと思います。不動産のブログなのですが、あまりにも嬉しくて、ガンバ大阪ありがとう、と言いたくて記事にしました。

2008年12月19日金曜日

低層マンションのすすめ

私自身の経験をお話します。普段、何気なく使っているエレベーターが地震で止まってしまったことがあった。3~4年前だったように記憶している。

5階に住んでいたので仕方なく非常階段を使って部屋までたどり着いたのだが、これがなかなか大変だった。たかだか五階。されど五階。スーパーで買物をしたあとに5階まで階段を利用するのは大変しんどい。

非常事態だからと諦めているが、あらためてエレベーターのありがたさが身にしみた。もし15階とか20階とかに住んでいたらととても部屋までたどり着けないと思う。

エレベーターが止まった日はたしか週末だったと思う。エレベーターの管理会社はなかなか来てくれずに、ふたたび動き出すまでに2日くらいかかった記憶がある。二日間、階段で上がり下りしたことは大変であった。

もしその地震のときに自分が乗っていたら、2日間その中に閉じ込められたのである。これはリアルな話だ。いつでも起こりうる話である。あの狭い箱の中に2日間も閉じ込められたら、どんなに強靭な精神力をもっていたとしても大変なことだ。

トイレに行けない、水が飲めない、外部と連絡がつきにくい、そんな状況であれば誰だってまいってしまうだろう。持病を持っている人や高齢の方、そして小さなお子さんがいる方にとっては切実な問題である。小さなお子さんが1人で乗ることだってあるから本当に気をつけていただきたい。

階数にもよるが、普段から健康のために階段を利用することをお薦めしたい。

気力が萎えているときにはエレベーターに乗る。それ以外は階段を利用して生活してみてはどうだろうか。自分でできる危機管理である。無料フィットネスに通っていると思えばお得感もでてくる。

この問題に関しては「高層難民」という本が新潮新書から出ている。著者は渡辺実氏。とても参考になる本です。今のうちに一読しておくことをお薦めいたします。以上のことを踏まえて、マンション選びを考慮してみると、いくつか注意すべきポイントが見えてくる。私の個人的な意見は2つある。

ひとつは、低層マンション。
もうひとつは、内陸部に住むこと。

低層マンションにするメリットは、やはり地震災害における被害の程度が少なくなることである。それと、低層マンションなら周囲に暗い影を作らないから、周辺環境にやさしいことがあげられる。もうひとつの、内陸部に住むという問題は地震による津波を意識している。

地震がきて津波が発生した場合、海沿いのマンションは、ざぶんと海水に漬かってしまう。一瞬でマンション機能が麻痺してしまう。これは容易に想像がつくと思う。内陸部を選ぶということは、海からの距離を確保することと海抜の高い場所にするためだ。

しかし、現実問題として勤務先や子供の学校のこともあるから、内陸部に住むといっても簡単に実現しない場合もあるだろう。しかし、その場合であってもできる範囲の中でいいから、上記2項目を頭のすみに置いていてほしい。減らせるリスクは減らしておくべきだと思う。

2008年12月18日木曜日

住宅ローンの返済比率

住宅ローン融資を考えるときに、必ずついてくるのが「返済比率」のお話です。「返済負担率」ともいいますがどちらも同じ意味です。この返済比率のことを分かりやすく説明します。なぜこのテーマを取り上げるのかというと、住宅ローン融資審査してもらうときにとても重要なポイントだからです。押さえどころといいますか、ツボというところでしょうか。

さて、返済比率ですがカンタンに表現すると、住宅ローンの年間支払額が、年収の一定割合の中におさまっていなければいけない、ということです。ちなみに返済比率というのは年収が上がるにしたがって比率も上がります。

例えば、大まかですが、年収が300万円では25%以内、400万円では30%以内、600万円では35%以内、というようになっています。この数字はどこの金融機関でもほぼ同じですが、ろうきんなどは独自の考え方をもっています。

では、年収が400万円のケースで具体的に説明してみます

【モデルケース:年収400万円・返済比率30%の場合】
■年収:400万円
■返済比率:30%

この場合では、年収400万円の30%までが上限となりますから、年額で120万円になります。つまり、住宅ローンの返済額を年間120万円に抑えなさい、ということです。月額に換算すると10万円です。ここまではお分かりいただけましたでしょうか。

この月額10万円以内という数字は、年収400万円の人の場合の上限です。
ここで注意することが2つあります。

ひとつは毎月支払額を計算するときに採用する金利のこと。
もうひとつは、返済比率いっぱいに申し込まないこと。この二つです。

金利については、実際に融資が実行されるときの金利を「実行金利」といい、融資の審査で返済額を試算するときに使う金利を、私は「シュミレーション金利」と呼んでいます。

返済比率を考えて支払額を試算するときに採用している金利です。この金利は実行金利より高めに設定されており、将来の金利上昇リスクを回避しようとしています。金融機関にもよりますが、一般的には「4.0%」位を採用しているケースが多いようです。

だから、自分で試算するときは、どんな借入計画をしている場合でも、金利は「4.0%」を採用して計算してください。もうひとつは、返済比率いっぱいに借りないことです。金融機関から見ると、無理していると思われないようにすることが大切です。

2008年12月17日水曜日

個人信用情報の取扱い

前回は個人信用情報がとても大切で、住宅ローン審査の最初のハードルであるということを書いてみた。この個人信用情報の開示請求で得られた内容に問題がなければ安心してマンション購入に臨めます。

しかし、多少なりともネガティブ情報が記載されている場合は注意が必要で、信頼できる不動産会社の営業マンに相談することをお薦めします。ただ、何をもって信頼できるかという問題もありますが、あえて条件を挙げるとすると次の3つの項目になります。


1 営業経験が長く現場経験が豊富な人。机上論は不要。
2 あなたと相性が合う営業マンであること。話せがすぐわかる。
3 服装や髪型が清潔であること。バカっぽく見える人は即却下。

上記の条件はいずれも外見中心の見分け方ですが、そもそも人の中身を瞬時に的確に判断などできません。だから外見チェックと話してみることがとても重要になります。不動産の営業マンなら、住宅ローンについてある程度それらしく話ができるから、見分けることは難しいかもしれない。あなたの直感をフル稼働させて判断してほしい。

アドバイスをもうひとつ。

住宅ローンの世界で言われていることのひとつに、「何度も審査をすると不利になる」というのがあります。これは本当です。事前審査であろうが本申込であろうが、住宅ローン融資の可能性を確認する場合、金融機関は個人信用情報の照会をかけます。その照会履歴が情報として残ります。金融機関としては、何度も照会がかかっているお客さんは、それだけでグレー扱いにしてしまいます。

だから何度も審査や申込をしてはいけません。

それだけで不利になります。

では何回までならいいでしょうか?と質問されますが、一概に「何回」と言えるほどカンタンではありません。少なければ少ないほどリスクは低くなります。東京の渋谷にあるM銀行の住宅ローンセンターの担当者さんからは、「本命の銀行には二回までに持ち込んでください」といわれたことがある。

決済権者の裁量もありますし、不動産会社と銀行とのお付き合いによっても変わります。しっかり準備して何度も申請しないことです。

2008年12月8日月曜日

個人信用情報の開示請求

前回の話で個人信用情報を取り上げたが、今回は「自分の個人信用情報を見てみよう」という話である。これを「個人信用情報の開示請求」という。

住宅ローンの審査には、「人の査定」と「物の査定」があると書いた。これは「人の審査」と「物の審査」ということと同じ意味で使っている。そして「人の査定」の中に「個人信用情報」がある。住宅ローン審査の最初の関門が個人信用情報の審査だ。これをクリアしないと次の本審査に進めない。自分の信用情報だから、当然のように自分で情報の開示請求ができる。住宅ローンの場合、下記の3ヶ所へ開示請求すれば十分だろう。

【照会先】
■全国銀行個人信用情報センター 〒100-8216 東京都千代田区丸ノ内1-3-1 TEL 03-3214-5020 http://www.zenginkyo.or.jp/pcic/index.html

■㈱シー・アイ・シー 〒160-8375 東京都新宿区西新宿1-23-7 新宿ファーストウエスト15F TEL 0120-810-414 http://www.cic.co.jp/

■㈱シーシービー 〒162-0823 東京都新宿区神楽河岸1-1 TEL 0120-4400-29 
http://www.ccbinc.co.jp/

上記の三ヶ所とも費用はとても安くて、直接窓口へ行くと500円ほどでできる。郵送の場合でも1000円ほどだ。住宅ローンを借りようと考えている方で、ちょっと不安だと思っている方は、個人信用情報の開示請求をお薦めする。銀行に先んじて自分自身をチェックしておこう。詳しい照会方法と最新情報については上記サイトを参照してほしい。

この個人信用情報の開示請求で、遅延などのネガティブ情報が記録されていなければ、安心して次の作業に進める。多少なりともネガティブ情報の記録があれば注意して作業を進めなければならない。事前の準備をしっかりしておくと融資承認の可能性も高まるから、臆せずに挑戦してほしい。

2008年12月3日水曜日

住宅ローン融資と個人信用情報

前回の記事で、住宅ローン融資を受けようとする場合「人の査定」と「物の査定」があると書いた。ここで使っている「査定」という言葉は、審査と同じような意味で使っている。

人の査定のサブフォルダに、「個人信用情報」というのがある。今回はこの個人信用情報がテーマである。

融資の申込をすると、それが事前審査であろうと本申込だろうと、必ず個人信用情報がチェックされる。これが最初の作業だ。金融機関では個人信用情報のことを略して「個信」と呼んでいる。個人信用情報の審査にパスしないと本審査に進めない。最初のハードルであり最大のハードルである。

ゆえに、個人信用情報がすごく重要だということはお分かりいただけると思う。では、個人信用情報とは何だろう。個人信用情報機関のひとつであるCICのサイトの説明から見てみよう。


「個人信用情報」とは、クレジットの契約や申し込みに関する情報のことで、個人の経済的信用度を表す情報です。具体的には、クレジットやローンの契約内容や支払状況、残高などの客観的取引事実で、過去から現在までのクレジットヒストリーを表します。この客観的なクレジットヒストリーの蓄積が、個人のクレジットの利用における3C(支払意思・支払能力・自己管理)を表していくことになります。そして、この「個人信用情報」は、クレジット会社が顧客の「信用」を判断するための参考資料として利用されます。そのため、個人の思想や趣味、病歴などに関する情報は一切含まれていません。
【株式会社CIC(Credit Information Center)サイトより引用】


ということだ。個人信用情報機関には、この他にも銀行系も含めて数社がある。

むつかしく考えることはない。

これまで自分が利用してきた金融機関やクレジット会社などとの取引履歴が記載されているのである。支払いが遅れるとここに記載される。住宅ローン審査では、最初にここの個人信用情報審査され、OKになった人だけが次の本審査へ進めるのである。しかし、おそれることはない。普通に暮らしていて支払いは遅れたこともなく、ローンそのものを利用したこともないという方たちは心配することはない。ときどき引き落としができなかったことがあった方や支払いが遅延したことのある方は用心しよう。

2008年12月2日火曜日

住宅ローン融資 総論編

不動産は高い買物だから現金で買える人はかなり少ない。東京での話をすると、たとえば代々木などの人気のエリアでは30㎡くらいの中古マンションが、今でも3000万円以上している。手許にある他の販売図面を見ても高い価格がついている。

そこで、住宅ローン融資を利用するのであるが、ここでは住宅ローンを利用しようと考えている人たちのために、全体的なことを知っていただこうと思う。なるべくシンプルに話をするから、正確な情報や最新情報は、各金融機関のサイトで確認することを忘れないでほしい。


本題はここから。

■一つ目 住宅ローン融資は、安定した収入が継続的にある勤労者であれば、誰でも借りることができる。これが大原則。日本国籍がなくても貸してくれるところもある。原則はとてもシンプルだ。

■二つ目 各金融機関は、独自に融資に関する情報をサイトやパンフレットなどで広く告知している。これはらその金融機関においての原則だと思ってほしい。原則には当然例外がある。サイトやパンフレットを見てそれが全て自分に当てはまると考えてはいけない。

■三つ目 住宅ローン融資審査には、「人の査定」と「物の査定」とがある。人の査定とは、融資を受けようとするあなたのことだ。物の査定というのは、購入しようとする不動産のことである。

■四つ目 「人の査定」をフォルダに例えると、その中にはサブフォルダがいくつかある。「勤務先」「業種」「年収」「勤続年数」「年齢」「個人信用情報」などが審査される。細かくあげるともっといろいろあるが、ここは全体像をつかんでいただくためにシンプルに話をしている。これらのサブフォルダは、「会社概要」「個人収入」「個人信用情報」とグループ分けすることができる。

■五つ目 「物の査定」とは不動産のことだ。マンションの場合、不動産の査定をあまり気にする必要はない。戸数が少なくて資産価値が低く流動性のないマンションでなければ、あまり問題にならない。注意を要するのは一戸建ての場合だ。違反建築物には融資が出ないという原則がある。もっともあり得る違反は、増築による容積率オーバーだ。マンションの場合はこれがない。一戸建ての場合は違反建築物になっていないかが重要だ。個性的な不動産を買おうと考えている方は、「物の査定」に注意しなくてはいけない。

以上、ざっと総論について書いてみた。

次回は各論を書いてみようと思う。

2008年12月1日月曜日

逃げ出すほど怖かったマンション

長いこと不動産の仕事をしているので、これまでにたくさんのマンションを見てきた。誤解をおそれずに言えば、辟易するくらいの数を見てきたと言っていいと思う。その中で、心底怖いと感じたマンションが二つあった。霊的な意味での怖さである。

普段から霊感などとんと縁のない男だと自認しており、「霊的不感症」といって自慢していた。その不感症なわたしが、怖くなって逃げ出してきたことが二回ある。

ひとつは山手通りの内側にある渋谷区のマンションだ。その日は、マンションの下見をするためにスタッフと二人で車ででかけた。現地に着くと変わった車が停まっていた。

エントランス内に入ると管理人さんが近づいてきて、小さな声で耳打ちした。「今、降りてくるので少しお待ちください」。なんだろうと思いつつそこで待っていると、ストレッチャーに載せられた仏様が運ばれてきた。内心ぎくっとしたが、平静を装い合掌して見送った。マンション内で亡くなられた方が運ばれるところであった。もともとそのマンション自体に重い雰囲気を感じていたのだが、その印象と重なったものだから、だんだん怖くなってしまった。

気を取りなおしてスタッフに声をかけた。「じゃ行こうか」。エレベーターのボタンを押した。ドアが開くと「うわっ!」と声を出してしまった。奥の扉が開いているではないか。閉めて行かなかったようだ。奥の扉が開いたままのエレベーターに乗る勇気などなかった。「ダメだ。階段で行こう」。そう言って階段で二階に上がった。

なんとも落ち着かない気分で鍵を開け部屋に入った。そうしたら部屋の中の雰囲気までが怖く感じるのである。先ほどの余韻かもしれない。しかし、マンションに着いたときから、重い気配は感じていたからどちらともいえず、もしかしたら両方の影響かもしれない。いずれにしても室内を見る余裕など無くなってしまている。あたふたと逃げるようにマンションを後にした。


もうひとつは亀戸駅近くのマンションだった。そのときもスタッフと二人で下見であった。駅から近いのでマンションはすぐに見つかった。エントランスに入っても私は何も感じなかった。スタッフはそのときから嫌な感じがしていたそうだ。怖い話は内見するときにはなるべく言わないように心がけている。恐怖心が伝播するからだ。だからそのときはお互いに何もコメントしなかった。

エレベーターで最上階に上がって部屋に入ってみると、室内の電気が点いていた。誰かが消し忘れただけかもしれないが嫌な気配がする。普段から霊的不感症を自認しているわたしだが、気味が悪くてしかたない。そわそわと落ち着かない内見で、満足に室内を見ることができなかった。このマンションもかなり怖かったことを覚えている。

ここまで怖いというのは、何かしらの霊的マイナス要因があるのだろう。霊能力など無いから自分の直感を信じるしかない。こんなマンションだと運気も下がってしまうだろうからパスした方が賢明だ。「怖いな」、「なんとなく嫌だな」、と思ったら、その直感を信じてそのマンションは見送ることをお薦めする。

マンションと道路の位置関係

マンションと道路の位置関係についてのお話です。マンションの前が大きな道路である場合、騒音などで敬遠するケースはよくある話だ。しかし、単純に前面が大きな道路だからダメだという括りで話が済むわけではない。女性の中には、安全面を考慮して幹線道路に面したものを望む方もいる。幹線道路なら人通りも多いし明るいから安心というのが主な理由である。そんな希望を持っている場合、マンションと道路の位置関係は重要なポイントになる。シンプルな例を出してみよう。

頭の中にシンプルな東西南北の十字の方位をイメージしてほしい。上が北、下が南、右が東、左が西だ。

そしてこの方位マップの東西に幹線道路が走っているとしよう。具体例としては、国道20号線の甲州街道や、国道246号線の玉川通りを思い浮かべてほしい。この幹線道路沿いにマンションが建っていると想定する。マンションが建つ位置としては道路を挟んで北側と南側の2つのケースがある。

道路の北側にマンションがあると、建物の南側に道路があることになる。つまりバルコニー側に騒音発生源の道路がある。これでは窓を開けるのにも勇気がいる。マンションの人気もさがってしまう。一方、マンションが道路の南側に建っている場合、北側が玄関である場合が多いので、玄関側通路では騒音がするのだが、室内に入ってみると音の問題は案外気にならない。ましてやバルコニーのある南側には騒音発生源の道路はなく、眺望も抜けている場合が多いから、東西に走る幹線道路の南側のマンションであれば、大通り沿いだとしても検討に値するのである。

東西に走る道路の、南側に建つ建物か、北側に建つ建物か、それを覚えておいてほしい。