2008年11月22日土曜日

付加価値よりシンプル空間

わたしの携帯はテレビも見ることができるスグレモノだ。カメラもついて動画だって撮影できる。使いきれないほどの機能が満載してある。ときどき携帯をいじっていると、見たことも聞いたこともない機能を発見することがある。なんじゃこれは?

使い切れない機能は、携帯と自分の距離を感じさせてしまう。心が繋がらない親子みたいなものかもしれない。親しみのわくシンプルな携帯を作ることは、メーカーにとっては大冒険なのであろう。しかしもったいないことだと思う。他社に負けない機能を搭載せよ!とがんばっているうちにユーザーは置き去りにされてゆくのである。

かつてホンダでCBRという素晴らしいバイクを開発していた馬場忠雄さんも同じ事をバイク雑誌で述べている。「最高速が一番じゃなきゃだめだ!馬力が一番じゃなきゃだめだ!」と販売サイドから強い要望があったという。最高速や馬力という魅力的な条件を横において、大胆、かつ、シンプルなコンセプトを実現しようとするのは、なかなか大変なことのようである。

マンションも同じだと思う。あらゆる設備や機能を盛り込み、付加価値」いうコンセプトで、どんどん重くなってゆくのである。価格も庶民が息切れするほど高くなってしまっている。付加価値がいつのまにか「負荷価値」と変身している。

居住空間には、必要最低限の機能と堅牢な構造があればいいと思う。シンプルな空間と堅牢な箱、防音、断熱、通風、採光、十分な面積、十分な天井高、快適な空調、通信インフラなどである。このうち、「快適な空調」と「通信インフラ」以外はすべて「堅牢な箱」に含まれる条件だ。他の機能や設備が欲しければオプションにすればいい。力強いスタンダードが必要だ。